「サロンの会」の記録 その2 Salon 1985~A.Salon 1971

その1からの続きです。

ここからが真骨頂!やっぱりサロンは30年経ってからと再認識しました。

・Salon 1985
第一印象、きのこ。ヴィンテージ的に考えると少しお疲れかもしれません。サロンと考えるとやや酸化が進み過ぎており、メイラード的ニュアンスが前面に。味わいは柔らかく滑らか。温暖な果実味が特徴的。

(しばらくして)おっと、さすが、サロン。この酸化のニュアンスを押しのけるように果実味が立ち上ってきました。熱感を伴った果実味が骨格を形成し、溶け込んだ繊細な泡と相まって、かなり良いバランスに。酸やミネラルにやや欠けるものの、溶け込んだ旨味が全開。この1985年だけを飲む会であれば誰もが美味しい!というレベルまで盛り返してくれました。

「元超エリート、出世競争に敗れ…勤続30年のお疲れサラリーマン50歳」




・Salon 1982
最初からブンブンに開いておりました。優しい蜂蜜の風味と和柑橘、パンデピスの心地良い香りが鼻腔に馴染みます。果実味とミネラルが溶け合い、フワッと包み込まれるような素晴らしい質感。
味わいはやや穏やかでボリュームは小さいものの見事にまとまっており、熟成由来のメイラード的なニュアンスが旨味を支えています。とはいえ、まだまだ泡もしっかり残っており、酸が生き生きしていることでこの最高のバランスが保たれているのでしょう。

「家庭円満、仕事も充実39歳」

以下二種はA.Salonです。

・A.Salon 1979
香りの第一印象はやさしいものの細く長く伸びるモカ。やや閉じ気味の印象。
味わいは流れるような旨味と酸味の心地良い共演。余韻に和柑橘。洗練された細かい泡の口当たりが味わいをより高貴なものにします。

(しばらくして)いや、すごいです。強くはないもののモカやパンデピスの香りが鼻腔の奥まで全く途切れずにすーーーと伸びていくような。
味わいも余韻に香ばしさを感じるようになりより深く複雑に。線は細いものの、この香りと味わいの流れるような質感と品格に圧倒されました。

「ピアノを奏でる細身の貴婦人45歳」

・A.Salon 1971
第一印象、清涼感!このヴィンテージにして爽やかに伸びるミネラル。程よい熟成感が心地良い。ただ、ややセメダイン的なニュアンスも感じたため、少し時間が必要であろうと判断。
味わいも果実味と旨味がこちらに向かってこず、かなり閉じ気味。

(しばらくして)おお、こちらもすごい。79年の流れるような品に対して、71年は威厳。ミネラルと酸が伸びる伸びる。当初、閉じ気味でしたが、ブリオッシュが香り、グレープフルーツ的な果実香が追いかけてきてくれるようになりました。
味わいも伸びるミネラルと酸、熟成によるメイラード的なしっかりとした旨味がそれぞれのベクトルで均衡を保ちつつ舌の上で広がり、まさに至福。個人的にはこの日のベストでした。

「えっ、お孫さんいらっしゃるんですか?30代前半かと思ってBarで声を掛けた壮絶美魔女52歳」

・Delamotte 1970 マグナム
※サービス順としては中盤で提供しました。
第一印象はきのこから、これもまさに教科書的なパンデピスへ。果実味は比較的しっかり残っており、心地良い酸化のニュアンスと相まって香りがフワッと柔らかく広がります。
味わいは泡と旨味、果実味が綺麗に見事に溶け合い、滑らか。ヴィンテージ的に考えると酸もしっかりしており、今回並んだ中で、最もバランス良く素直に熟成していたお手本のような一本でした。

「腹筋割れてます。細マッチョの49歳」

素晴らしい経験でした。




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